薬事法規研究委員会では、医薬品医療機器等法の法令遵守を推進していくと共に、法令、許認可、広告・プロモーション、包装・表示、一般薬、海外薬事などの分野ごとに部会を設置し、薬事法規に関する制度及び実務的な課題を中心に検討している。また、上部団体である日薬連薬制委員会のプロジェクト等へ積極的に参画し、薬事法規に関する課題への対応を行う。
2022年度に重点的に取り組むべき事項は、次のとおりである。
(1)薬事制度に関する調査・研究及び提言とその実現に向けた委員会機能の強化
2019年12月に改正医薬品医療機器等法が公布され、公布後1年以内の施行分が2020年9月に、公布後2年以内の施行分が2021年8月に施行され、2022年12月には公布後3年以内施行分の施行が予定されている。発出済及び今後発出される政省令、諸通知等の運用に的確に対応できるよう情報収集及び検討を行うと共に、医薬品医療機器等法における実務上の問題点を解決するために、会員会社から意見・要望を収集し、業務上の諸問題について調査、研究を行い、実際の運用に反映すべきものは通知等で対応して頂くよう日薬連を通じて行政に提言を行う。
また、薬事・医療関連等の規制や支援・振興策について、会員各社からの要望を取りまとめ、当局との意見交換等を通じて提言する。さらに、関西の関連地方自治体や広域連合、関連団体等と連携し、国家戦略特区等の薬事・医療関連の国家施策に関して当局へ提言する。
(2)会員会社の発展・成長を目指した施策や規制合理化等の積極的な提言
医薬品関連製品のグローバル化に対応した規制・制度合理化に向けた提言、再生医療をはじめとする次世代医療や新たな健康医療製品の上市を迅速化するための規制対応等に対して調査・検討を行い、適宜提言を行う。また、PMDA関西支部の機能拡充、積極的な活用の推進及び新たな活用方法に対する要望等を検討・提言する。
(3)厚生労働省及びPMDAとの連携
医薬品の承認審査(新規、一変)、調査(書面調査、実地調査、GMP適合性調査)、相談業務(対面助言、簡易相談等)、届出業務(治験計画届、軽微変更届、輸出用医薬品製造(輸入)届等)、医薬品医療機器等法関連の輸出入手続及び研究開発の推進等の業務遂行上の問題点について会員会社より意見・要望を収集し、その改善策について厚生労働省及びPMDAに提言を行う。
(4)地方庁(大阪府等)薬事関係者との連携
大阪府薬務課等と薬事実務運営面での相互理解を深め、地域団体としての活動を遂行する。また、定期的に情報・意見交換する場をつくり、薬事制度上の課題や運用について、情報共有、調査、検討を行い、大阪府薬務課等と連携し、厚生労働省又はPMDAに提言を行う。
(5)部会・分科会等における活動
1)法令部会
医薬品医療機器等法関連法令及び関連するテーマ・トピックスとして、業態(製販、製造業、卸・物流)管理に関連する事項(法令遵守に関するガイドライン、GDPガイドライン等)、製造業に関連する事項(改正GMP省令、製造所ごとのGMP適合性調査等)、承認申請に関連する事項(不純物管理、GMP適合性調査、変更計画確認による変更手続き等)等について調査研究・意見交換を行う。
2)許認可部会
@ 第一分科会:承認書の変更管理(一変・軽微)及びGMP適合性調査など、薬事業務と関連性の高い内容・テーマについて、薬事的観点から調査研究を行う。また、講演会等を開催し、医薬関係者として必要な知識・情報についても積極的な収集に努める。
A 第二分科会:医薬品製造販売承認・調査申請及び各種届出等、承認審査・許認可等に関連した研究テーマを挙げ、調査研究を行う。
B 第三分科会:新有効成分医薬品を中心とした薬事戦略及び承認審査・調査並びに日常の開発薬事関連業務について、薬事的観点から調査研究する。
C 製造販売指針分科会:「製造販売指針」の発刊に向け、最新の規制に対応できるよう追加が必要な法令、通知、事務連絡等を盛り込み、実務を行うにあたってさらに充実したものとなるよう検討・改訂を行う。
D 許認可情報分科会:PRAISE-NETにて提供される医薬品行政通知データベースの利便性向上と機能強化を図るための提言を行う。また、PRAISE-NETにて、現状、当委員会委員等に提供している許認可情報データベースの課題を検討し、データベースの充実化を図る。
3)広告プロモーション部会
医薬品医療機器等法をはじめ、医薬品(医療用・一般用)の広告・プロモーションに係る関係法規(医薬品等適正広告基準、販売情報提供活動ガイドライン、製品情報概要等作成要領、OTC医薬品の適正広告ガイドライン、景品表示法等)等について、事例を中心とした調査研究を行う。
4)包装・表示部会
医療用及び一般用医薬品の表示、包装設計、添付文書、インタビューフォーム等について調査研究する。
5)一般薬部会
承認申請、販売業、GMP、漢方処方など、一般用医薬品特有の課題を中心に、広く日常の業務に関連するテーマについて意見交換・情報共有・調査を行う。
6)海外薬事部会
@ 欧米グループ:米国、欧州連合の薬事規制を許認可制度中心に調査研究し、意見交換、情報共有を行う。
A アジアグループ:中国をはじめとするアジア各国の薬事規制を調査研究し、意見交換、情報共有を行う。
(6)講習会・講演会の開催
東西合同薬事法規(研究)委員会を東薬工と共催し、厚生労働省医薬・生活衛生局及びPMDAの担当者から最新の薬事動向等について講演及び質疑要望を行い、薬事業務の一助とする。また、委員及び部会員の実務並びに法令遵守に資する、また部会活動テーマ等に関連する講習会、講演会を適宜開催する。 |