協会の活動

関西医薬品協会の活動

Ⅰ 協会業務に関する事項

  • まとめ
  • 1.提案力:積極的な政策等の提言とその実現による競争力のある医薬品関連産業の成長への貢献
  • 2.イノベーション:関西の強みを活かした健康医療分野での戦略的な取組みによるイノベーションの促進
  • 3.グローバル化:国際ビジネス活動の支援による医薬品関連産業のさらなるグローバル展開の推進
  • 4.魅力ある協会:多様なニーズや様々な課題に応えることによる魅力ある協会活動の実施
  • 5.社会からの信頼:コンプライアンス徹底等のたゆまぬ努力による社会からの高い評価・信頼の獲得
  • 6.PRAISE-NET:行政通知等の情報提供等を行うPRAISE-NETの利便性向上と機能強化

 関西医薬品協会(関薬協)では、2017年9月に策定した関薬協ビジョン2025(以下、現ビジョン)に基づき、中期事業計画(前期:2020年度まで、後期:2025年度まで)を策定した。そして、事務局、委員会・研究会、研究開発推進会議、会務審議会及びビジョン実現タスクフォースが連携し、現ビジョンが示す「提案力」、「イノベーション」、「グローバル化」、「魅力ある協会」、「社会からの信頼」の5つの柱(ありたい姿)ごとに、それらを具現化する戦略・戦術を定め、具体的な事業を立案・実行するとともに進捗管理を行ってきた。
 2025年度は現ビジョンの最終年度であり、中期事業計画(前・後期)全体を通じた達成状況の取りまとめと評価を行うことと並行して、次の10年に向けた関薬協ビジョン2035(以下、新ビジョン)の策定作業を開始した。現在、新ビジョン策定プロジェクトにおいて、新ビジョンの内容検討が進行中である。同プロジェクトでは、現ビジョンの5つの柱を時代を超えて将来の方向性を示す本質的なキーワードと位置づけ、その精神や骨子は大きく変更しないことを基本方針としている。
 一方、希少疾病用医薬品や小児用医薬品等のドラッグ・ラグ/ドラッグ・ロス、医薬品の安定供給確保、新型コロナウイルス等のパンデミックに対する日本発のワクチンや治療薬の開発に時間を要したことなど、現ビジョンの策定時には想定されていなかった新たな課題が生じており、さらには、リアルワールドデータの活用やAI創薬、新規モダリティ医薬品等の革新的技術が登場するなど、医薬品関連産業を取り巻く環境は大きく変化している。
 これらの変化を踏まえ、新ビジョンでは、地域団体という当協会の立ち位置の下で実施可能な施策の範囲やそれらをいかにして実現に繋げるかといったことも考慮しながら、現ビジョンから途切れることなく時代の要請に即した将来像を描くこととしており、戦略・戦術の面でも、上述の新たな環境変化や現ビジョンの積み残し課題に的確に対応できる施策を検討・立案し、取り組んでいく必要がある。
 なお、2026年度事業推進計画・予算編成の重点事項は、新ビジョンの策定前に定例理事会に諮り、その承認を得る必要がある。このため、今年度の事業推進計画においては、現ビジョンの中期事業計画を参考に、現状取り組むべき課題も考慮しつつ、協会の活動を「提案力」、「イノベーション」、「グローバル化」、「魅力ある協会」、「社会からの信頼」の5つの柱ごとに取りまとめ、これらを推進することとする。
 また、PRAISE-NETは、日薬連、関薬協、東薬工、製薬協の4団体による共同事業であり、協会はその運営主体として重要な責務を担っていることから、これを6番目の柱として特記し、併せて推進する。なお、新ビジョン策定後は、新ビジョンに基づき中期事業計画を作成する。
 上述の柱のうち特に「イノベーション」については、これまで研究開発推進会議等の場で関西における関係機関の最近の取り組みを紹介していただくなど、「イノベーション」の促進に向けた情報共有を図ってきた。2026年度は、研究開発推進会議及び国際ビジネス委員会を中心に、これまで協会に蓄積された情報等を活かして、関西発の創薬を活性化するための新たな仕組みづくりを進めていく。
 また「社会からの信頼」については、医薬品の製造・品質をめぐる不適正事案や医薬品の供給不安に関わる問題が今なお解消には至っていないことに加え、少子高齢社会におけるイノベーションの評価と国民負担軽減のバランスを図りつつ、持続可能な社会保障制度を構築していく上で、医薬品関連産業に対する社会からの認識・評価は極めて重要であることから、業界が社会からの信頼を失うことのないよう、会員会社によるコンプライアンス徹底等の活動を引き続き支援していく。
 この他、薬事法規、技術研究、品質、国際ビジネスの4委員会及び点眼剤、知的財産、くすり相談、医薬品安全性、教育研修、治験推進の6研究会での各課題への対応を進める。

1.提案力:
積極的な政策等の提言とその実現による競争力のある医薬品関連産業の成長への貢献
  1. 政策提言とその実現に向けた協会機能の強化
     医薬品関連産業は、様々な薬事・医療関連規制により制限されている。これら規制は、医薬品の品質や安全性などの確保や良質な医療の提供に必要かつ重要であるが、国際的な整合性等にも配慮し、より合理的な規制とすることで、不必要な期間・費用が削減され、国際競争力のある企業活動の維持・推進が可能となる。また、次世代医療や革新的医療製品などは、現行の規制では不都合あるいは不明確な点が生じる可能性があり、これらに配慮した規制の見直しなどが必要である。さらに、医薬品の研究開発や製造などは、多くの費用と期間を要し、かつ事業リスクも高く、関連する規制・制度の特例や税制・財政・金融上の支援など、様々な観点からの行政による支援・振興策が必要である。
     このため、健康や医療を取り巻く環境改善に向けた積極的な政策等の提言とその実現が重要であり、協会、委員会・研究会内でのタイムリーな会員会社のニーズ・意見を収集するためのシステム整備を図るとともに、横断的な課題には、関係委員会・研究会と事務局による合同会議、セミナー・講演会の実施などを通じて対応する。
  2. 規制合理化・産業振興・イノベーション促進などへの提言・実現
    1. 関係組織との協力・連携関係の構築・強化
       規制合理化、産業振興などの実現には、中央当局(厚生労働省・PMDA、経済産業省、内閣府など)、関西の関連地方自治体、経済団体、各種医薬品団体などとの協力・連携が重要であり、その関係構築・強化を図る。
       厚生労働省、PMDAとは、総会や理事会、講演会などの機会をとらえて意見交換等を適宜実施する。
       関西の関連地方自治体とは、これまでも大阪府と薬事規制関連、産業振興で密接な連携、また近畿圏薬務主管課とGMP査察の研修協力を実施してきたが、今後、規制合理化、産業振興を一層推進するため、これらの連携をさらに進める。
       関西にある他の地域別医薬品団体とは、2018年1月に設置した関西医薬品団体連絡会を通じて情報交換を進めるとともに、引き続き共通課題での協力・連携関係の構築を図る。また、バイオ、化学品、化粧品、医療機器等の団体との情報交換、協力・連携関係の構築を進める。
    2. 会員会社のニーズ・意見に基づく提案の関係組織との協力・連携関係を通じた実現
      当局との意見交換、日薬連・東西合同薬事法規(研究)委員会・東西合同知財研究会等と当局との対話、パブリックコメントなどを通じて、協会、委員会・研究会内で収集されたニーズ・意見に基づく会員会社や地域の成長・発展を目指した規制合理化、産業振興、イノベーション促進等への提案の実現を図る。
       医薬品の製造・品質をめぐる不適正事案や安定供給確保問題への対応については、後述する医薬品医療機器等法の改正などの対応に加え、厚生労働省・PMDAや日薬連などで各課題について検討・対応が進められてきた。厚生労働省が設置した「医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会」が、2023年6月に取りまとめた報告書では、安定供給の確保、創薬力の強化、ドラッグ・ラグ/ドラッグ・ロスの解消、適切な医薬品流通に向けた取り組みについて、それぞれ主な課題と対策の方向性が示された。同報告書を受けて、同年7月に「創薬力の強化・安定供給の確保等のための薬事規制のあり方に関する検討会」、「後発医薬品の安定供給等の実現に向けた産業構造のあり方に関する検討会」がそれぞれ設置され、諸課題の解決に向けた検討が進められ、前者は2024年4月に、後者は同年5月に報告書が公表された。さらに、2024年4月からは、改正医薬品医療機器等法の施行後5年を目途とした見直しの検討規定を踏まえ、厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会において、上述の各検討会で取りまとめられた報告書等も参照し、薬事制度改正に向けた検討が行われた。
       その結果、2025年5月に公布された改正医薬品医療機器等法では、
      1.医薬品等の品質及び安全性の確保として、製造販売業者における医薬品品質保証責任者及び医薬品安全管理責任者の設置の法制化、指定する医薬品の製造販売業者に対する副作用に係る情報収集等に関する計画(医薬品リスク管理計画)の作成・実施の義務付け、法令違反等があった場合に、製造販売業者等の薬事に関する業務に責任を有する責任役員の変更命令を可能とすること
      2.医療用医薬品等の安定供給体制の強化等として、医療用医薬品の供給体制管理責任者の設置、出荷停止時の届出義務付け、供給不足時の増産等の必要な協力要請等の法制化(医療法)、製造販売承認を一部変更する場合の手続について、変更が中程度である場合の類型等の新設、品質の確保された後発医薬品の安定供給確保のための基金の設置
      3.より活発な創薬が行われる環境の整備として、条件付き承認制度を見直し、臨床的有効性が合理的に予測可能である場合等の承認を可能とすること、医薬品の製造販売業者に対する小児用医薬品開発の計画策定の努力義務化、革新的新薬の実用化を支援するための基金の設置
      などの措置が講じられることとなった。
       協会、委員会・研究会では、製薬企業の活動に直結する重要な法律や関連する政省令、通知等の各種規制、運用に関して、会員会社が的確に対応できるよう情報収集及び検討を行い、関連情報の周知徹底を行うとともに、医薬品の製造・品質不適正事案や安定供給確保問題などの課題に係る日薬連の検討・対応に引き続き参画・協力し、必要な事項については、日薬連を通じて当局に要望・提言を行う。また、2026年度以降も改正医薬品医療機器等法に定められた施策が順次施行されることから、これに的確に対応する。
       この他、医薬品関連製品のグローバル化に対応した規制調和・制度への提言・実現、次世代創薬基盤技術や革新的な医薬品製造技術等の発展、新たな健康医療製品の上市を迅速化するための規制対応等に対する支援、地政学的リスク等の観点も含めた医薬品等の安定供給確保への対応に係る情報収集・共有等の取り組みについても、引き続き進める。
       2024年12月に中之島クロスに移転したPMDA関西支部については、医療関連イノベーション推進の観点から、引き続きその機能強化を、大阪府などの関係自治体や経済団体などと連携して厚生労働省、PMDAに働きかける。また、同支部テレビ会議システムを利用した相談(2016年6月開始)は、コロナ禍前までは、関係者の協力・努力により利用件数が順調に増加していたが、コロナ禍を契機として各社ともWebでの相談にシフトし、中之島クロス移転を機にシステム利用料が無償化されたものの利用件数は低迷しており、大阪府とも連携して今後の方策についてPMDAと引き続き協議していく。
2.イノベーション:
関西の強みを活かした健康医療分野での戦略的な取り組みによるイノベーションの促進
  1. 関西の強みを活かしたイノベーションの促進に向けた取り組み
    1. イノベーション促進のための協会内の体制整備
       新薬などの研究開発は、その難易度が高まるとともに、費用が高騰、開発競争も激化し、事業リスクが増大している。このような中、医薬品関連企業の創薬手法も大きく変化している。かつての創薬シーズの発見から臨床開発に至るまでのすべてを自前で行う自己完結型ではなく、大学・研究機関などのアカデミアやベンチャーから創薬シーズや創薬技術を導入するなどのオープンイノベーション型・エコシステム型への移行が加速している。また、基礎研究のみならず、臨床情報からの新たな標的探索の視点が重要視されるとともに、ICT、AI、ビッグデータなどを活用した創薬アプローチや、再生・細胞医療、遺伝子治療、核酸医薬、デジタル医療など様々なモダリティでの医薬品・医療手段の開発が進められつつある。
       こうした状況を踏まえ、イノベーション促進のため、研究開発推進会議と事務局の機能強化(会議の活性化、会議メンバー拡大、事務局の立案・管理能力の充実)による協会内の体制整備を図る。。
    2. 関西での産学官の協力・連携関係の構築・強化
       関西は、道修町に代表される医薬品関連産業に加えて、様々な分野で独創的かつ高度な技術を有する「ものづくり企業」が集積し、生命・健康科学の最先端の研究を行う大学、研究機関、病院なども多く、世界最高水準の科学技術基盤も整っている。さらに、関連する自治体や団体も医薬品関連産業の振興に対して積極的に取り組むなど、医薬品関連分野でのイノベーションを生みやすい恵まれた環境にある。こうした関西の強みを活かしたイノベーションの促進を図るためには、関西での産学官の協力・連携が必要である。
       このため、関西の関連地方自治体、関西健康・医療創生会議、公的機関・団体(AMED創薬事業部 西日本統括部、PMDA関西支部、医薬基盤・健康・栄養研究所、理化学研究所、産業技術総合研究所、バイオコミュニティ関西(BiocK、2021年7月設立、2022年4月内閣府のグローバルバイオコミュニティに認定)、神戸医療産業都市推進機構、千里ライフサイエンス振興財団、近畿バイオインダストリー振興会議、都市活力研究所、ライフサイエンス・イノベーション・ネットワーク・ジャパン(LINK-J)等)、アカデミア(京都大学、大阪大学、神戸大学、大阪公立大学等)、経済団体(大阪・京都・神戸三商工会議所、関経連等)などとの協力・連携関係を構築・強化する。
       また、健康医療分野での産学官連携に関する公的機関・団体、アカデミア等の情報を収集・整理して会員会社などに提供し、新たな協力・連携関係の構築に寄与する。
    3. 関西の強みを活かしたプロジェクトの関係組織との協力・連携関係を通じた実施
       関係組織との間で構築された協力・連携関係を通じて、イノベーション促進に向けた関西の強みを活かしたプロジェクトを実施していく。大阪バイオ戦略に基づき実施してきた大阪圏での創薬の推進に繋がる活動(産学官連携の推進、ベンチャー支援、規制合理化検討・治験連携推進など)は、今後関西圏に対象を広げるとともに、国内の他地域や海外のバイオクラスター・バイオベンチャー・アカデミア等との連携・協力も進め、その促進を図る。
       具体的には、イノベーション促進に向けてテーマを絞った産学官連携セミナー・交流会を充実させる他、研究開発推進会議及び国際ビジネス委員会を中心に、これまで協会に蓄積された情報等を活かして関西発の創薬関連の活動に係る情報を整理し、それらの活動間の調整を図るとともに、アカデミアやスタートアップの有望なシーズを新薬等の早期実用化に繋げるための新たな仕組みづくりを進める。
       また、関西のライフサイエンス分野でのクラスター形成やプロジェクトへの支援として、彩都、健都、中之島クロス、神戸医療産業都市等との連携・協力などを進める。その際には、グローバルバイオコミュニティの形成を目指すバイオコミュニティ関西(BiocK)等を通じ、ライフサイエンス分野で活動する欧米・アジア関連機関とも緊密に連携を図る。
  2. 健康医療分野での関西からの新たな展開(市場開拓・形成)
    1. 多様化する創薬研究など健康医療分野での新たな展開への支援
       研究開発推進会議委員などの意見も参考に、多様化する創薬研究や健康医療分野での新たな展開を目指したセミナー・講演会・交流会等の開催や活動支援を行う。
       新たなモダリティやデジタルヘルスのイノベーションの進展を背景に、2019年度に立ち上げた「デジタルヘルスセミナー」(企画・運営:関薬協、LINK-J、大商、共催:関西健康・医療創生会議)を継続開催し、会員会社の健康医療分野でのデジタル・トランスフォーメーションへの支援を行う他、2022年度に開始した次世代モダリティセミナー(企画運営:次世代モダリティ研、関薬協、LINK-J、都市活研)、2021年度にそれまでの活動を整理し、新たに開始した関薬協ライフサイエンスセミナー(企画・運営:関薬協)、医療・健康 おおさか産学官連携フォーラム(企画・運営:関薬協、該当ステークホルダー)あるいはバイオコミュニティ関西(BiocK)などとの連携を通じて、バイオ関連(抗体医薬、核酸医薬、遺伝子治療、再生・細胞医療など)を含むライフサイエンスの講演会・交流会などを企画・開催する。さらに、関連する各種情報を収集し、必要としている会員会社に提供する。
3.グローバル化:
国際ビジネス活動の支援による医薬品関連産業のさらなるグローバル展開の推進
  1. 海外の医薬品関連分野への事業展開の支援
    1. 関係国及び我が国の関係組織との連携強化
       我が国の医薬品関連産業は、日本のみならず国際的な事業環境・構造変化により、研究・開発・生産・流通・販売の一連の活動を通じて、今後、これまで以上にグローバル化の動きが活発化していく。そのため協会では、国際ビジネス委員会と事務局が連携し、会員各社の海外への事業展開(国際ビジネス活動)を支援し、医薬品関連産業のグローバル展開を推進する。
       これらの活動の前提として、関係国の医薬品当局・業界団体、大使館・在大阪総領事館等、厚生労働省・PMDA、大阪府・大阪市・神戸市などの地方自治体、JETRO、大商・京商・神商、関経連、日薬連・製薬協・GE薬協・OTC薬協などの国際委員会、バイオコミュニティ関西(BiocK)との連携を強化する。その一環として、政府が進める国際展開を目指した会議や交流会への参加、アジア健康構想やアジア医薬品・医療機器規制調和グランドデザイン等の国際保健戦略への協力等を行う。
    2. 医薬品関連のバリュー・チェーンに関する海外との連携
       海外のうち、特にアジア地域(中国、インド、韓国、台湾、ASEAN等)においては、日本企業の事業展開も少しずつ進みつつあるが、収益化の困難さに直面している。市場としても大きく成長しており、原薬などの重要な製造元であることなどを踏まえて、これらの国・地域におけるバリュー・チェーンに関するセミナー・講演会、ビジネス交流会、現地視察等を実施する他、日薬連をはじめとした関連団体との連携を通じて、具体的な課題解決を目指す。また、欧米についても、医薬品関連の研究開発や規制動向の把握が重要であり、引き続き情報収集に努めるとともに、関連するセミナー・講演会、勉強会などの実施、他団体との連携を強化して会員会社への情報提供に寄与する。
    3. 海外バイオクラスター・ベンチャー等との交流
       海外バイオクラスター・ベンチャー・アカデミア等とビジネス交流会、講演会等を実施する。
    4. 会員会社の関心国の健康医療ニーズや規制当局及び制度等についての情報共有の推進
       アジア地域の他、中東など会員会社の関心国・地域の健康医療ニーズ、規制当局・制度、ビジネス・投資環境などの情報共有を推進する。
  2. グローバル人材の育成・確保・定着に関する支援
     医薬品関連分野の海外展開を促進するには、グローバル人材・外国人従業員の育成・確保・定着が欠かせない。このため、人材育成・確保・定着などに関する会員会社のニーズを把握し、必要なセミナー、ワークショップの開催などを通じて支援を行う。
  3. 海外への情報発信
     協会の活動内容等を紹介する英語版ホームページのコンテンツの充実を図り、海外への情報発信を強化する。
4.魅力ある協会:
多様なニーズや様々な課題に応えることによる魅力ある協会活動の実施
  1. 会員会社の多様なニーズと様々な課題に応えるための機能強化
     魅力ある協会活動の実施には、会員会社の多様なニーズと様々な課題に応えることが必要である。協会では、「委員会・研究会活動」と「事務局活動」を両輪として、多様なニーズや様々な課題をタイムリーに把握する機能を充実することで、これらに適切に対応する。また、会員会社に共通する課題への対応や情報共有のために委員会・研究会の連携強化を図るとともに、会員会社の業務に影響する行政動向などには迅速に対応する。
  2. 会員会社へのサービスの充実
    1. 「医薬品医療機器等法」などへの的確な対応
       「医薬品医療機器等法」及び関連政省令、告示、通知への的確な対応、日本薬局方の作成協力や円滑かつ適切な運用、PIC/S加盟に伴うGMP運用への的確な対応などのため、薬事法規研究委員会、技術研究委員会、品質委員会、医薬品安全性研究会等の関係委員会・研究会と事務局が連携し、全体会合や会員会社向け講習会などを企画・運営する。関連政省令、告示、通知については、迅速な情報提供に努める。
    2. 協会・委員会・研究会が行う活動の定期的な見直し・充実
       協会・委員会・研究会が行う活動(講演会・セミナー等を含む)では、現状に満足せず、定期的な見直し・充実を図る。その際には、会員会社間の共通業務課題・目標等のノウハウ共有の観点にも配慮する。
    3. 新たな活動の企画・立案
       新たな活動の企画・立案については、各委員会・研究会とも連携し、関連団体の協力を得て対応していく。注力すべき領域は、イノベーション、新領域開拓、コンプライアンスなどである。
    4. ほしい人にほしい情報を適切に伝達できるネットワークの構築・強化
       会員会社への情報提供の方法は、主として、ホームページ、PRAISE-NET、メールであるが、必ずしもほしい人にほしい情報が伝達されていない。このため、ほしい人にほしい情報が適切に伝達されるよう、会員会社のニーズを踏まえたネットワークの構築・強化を図る。
    5. ホームページやYouTubeチャンネルを通じた情報発信の充実
       ホームページについては、情報の迅速な提供と維持管理の向上を目的としたコンテンツ・マネジメントシステムの導入、第三者によるデータの不正使用やなりすまし・改ざんの防止、EU一般データ保護規則(GDPR)に対応したCookie(個人情報)利用に関する同意取得の導入、閲覧性やデザイン性向上などを目的とした改修を行い、2023年3月28日にリニューアルし、さらに2024年7月17日には、その一部見直しを行った。また、2024年9月2日には、関薬協YouTubeチャンネルを開設し、協会からの情報発信媒体の充実を図った。今後も引き続き、会員会社のニーズを踏まえ、発信する情報の内容や発信手段の充実を進める
    6. 大阪薬業クラブの適切な業務運営への協力
       (一社)大阪薬業クラブの業務運営では、事務局長業務を協会事務局が担当し、引き続き協力する。また、大阪府の指導の下、公益助成事業や共益事業等が適切に遂行されるよう協力する。
  3. 協会活動の基盤強化
    1. 協会への入会促進、委員会・研究会の加入促進
       魅力ある協会活動を行うための基盤強化のため、活動内容の積極的な発信などを通じて協会への入会促進、委員会・研究会への加入促進を図る。特に、新規入会の会社には、協会への入会と同時に委員会・研究会への加入促進に努める。
    2. ポストコロナ時代の新たな働き方に対応した協会活動の推進
       ポストコロナ時代の新たな働き方への対応として、会議、セミナー・講演会等へのWebの効果的な利活用等を引き続き推進する。
5.社会からの信頼:
コンプライアンス徹底等のたゆまぬ努力による社会からの高い評価・信頼の獲得
  1. 様々な情報媒体を通じた広報活動の強化
     医薬品関連産業を取り巻く環境の変化に鑑み、協会は、今後、社会からの理解を得るための情報発信力をさらに強化する必要がある。様々な情報媒体を通じて、協会の活動内容を定期的かつタイムリーに情報発信するとともに、医療関係者、一般市民等にくすり、健康、医療に関連した情報の積極的な発信を実施する。
  2. 継続的なコンプライアンス活動の推進・支援
     医薬品関連産業は、生命関連製品を取り扱う産業として、他産業にも増してコンプライアンスの徹底が求められる。コンプライアンス徹底へのたゆまぬ努力により、会員各社とともに社会からの高い評価・信頼を獲得できるよう努める必要がある。昨今の度重なる不祥事や回収事例などに鑑み、法令遵守のためのガバナンス・コンプライアンス・リスクマネジメント体制や製造・品質管理体制の整備・点検を進め、信頼回復に向けた取り組みを進める必要がある。
     このため、毎年開催している医薬品等総括製造販売責任者講座や、各委員会・研究会活動の中で、コンプライアンスに関する研修等を実施するとともに、会員会社に向けて、2021年11月に「医薬品製造業者・製造販売業者としての社会からの信頼回復に向けた取り組みへのお願い」、2022年12月に「社会からの信頼回復に向けた法令遵守関連の再点検のお願い」を発出し、さらに、協会ホームページに新たに「法令遵守関連コーナー」を設けた。
     今後もコンプライアンス強化・啓発を目指して、国、関連地方自治体、関連団体等と連携した業界の継続的なコンプライアンス活動の推進、会員会社のノウハウも活用した企業内での継続的なコンプライアンス活動の支援(支援体制の整備、情報の収集・整理・提供、講演会・セミナーの実施)を進める。
     協会の会員としての資格適格性については、2023年5月30日付で除名等を可能とする規約の改正と関連する内規の改正を行うとともに、引き続き入会に際して理事会に諮る前の事務局によるヒアリング等での厳格な審査と、入会後のフォローアップによりその適格性を確認する。
  3. 医薬品の安定確保の推進
     一部の抗菌薬について、国外における製造上のトラブルに起因して長期にわたり安定的な供給が滞り、医療の円滑な提供に深刻な影響を及ぼす事案が発生した。この他にも様々な要因により医薬品が供給不安に陥る事案が発生していることから、厚生労働省では、「医療用医薬品の安定確保策に関する関係者会議」を2020年3月に設置、同年9月には今後の取り組み策などを内容とする取りまとめを行い、これに基づく取り組みを進めている。日薬連でも、業界団体として医薬品を安定的に確保するための諸課題に対する検討を行い、安定確保を推進するため、2021年度に「安定確保委員会」を設置した。また、2022年5月に特定重要物資の安定的な供給の確保などに関する経済安全保障推進法が制定され、特定重要物資としてβ-ラクタム系抗菌薬4剤が指定されている。協会は、こうした取り組みに協力し、日薬連の同委員会への委員派遣や、2025年5月公布の改正医薬品医療機器等法等も含め関連する情報の収集・整理・提供などにより医薬品の安定確保の推進を図る。
     大規模災害等の緊急事態については、関連団体・自治体並びに会員会社との具体的な連携体制の再確認と併せ、医薬品等の安定確保への対応・支援や緊急事態時の事業継続計画(BCP)の策定支援を進める。
  4. 社会貢献活動の充実
     社会貢献活動の充実を通じ、社会の要請に応えられる存在感のある団体を目指して活動する。
     くすりや健康・医療に関連したプロジェクトへの支援では、健康・医療に関連した関西を中心とするまちづくりに、国・大阪府等の動きも踏まえて的確に対応する。
     薬業の分野で長年にわたり多大なご貢献をいただいた方々の叙勲等の受章をお祝いするため、協会が事務局機能を担う大阪薬業団体事務連絡会が主催し、毎年12月に叙勲・褒章・大臣表彰受章祝賀会(世話人代表:当協会会長)を開催する。また、「道修町まちづくり協議会」、少彦名神社の「神農祭」、「道修町資料館」への協力・支援を行い、地域活性化への貢献に努める。
     健康経営、SDGs、ダイバーシティ&インクルージョン、2050年カーボンニュートラル等を通じた会員会社の社会貢献活動では、その取り組みへの支援を行う。
6.PRAISE-NET:
行政通知等の情報提供等を行うPRAISE-NETの利便性向上と機能強化

 日薬連、関薬協、東薬工、製薬協の4団体の共同事業であるPRAISE-NETは、医薬品行政通知等の連絡文書の電子化・アーカイブ化を行うとともに、情報の迅速な伝達、会員会社のニーズに適合した情報の提供を推進しており、2025年11月1日現在、利用者数は22,851人(関薬協関係:12,178人)、年平均1,700件を超える情報提供を行っている。協会は、PRAISE-NETの運営主体として、日薬連WEB管理センター運営会議の下で、利用者の利便性向上や技術面への対応について新WEB検討会の協力を得ながら、システムの導入・改善及び安定的な稼働に努めるとともに、ユーザー数の拡大、利活用方法の周知を図っている。
 PRAISE-NETは、2004年4月から運用を開始し、2019年4月からは第4期システムとして稼働している。第4期システムでは、医薬品行政通知データベースにわかりやすい検索画面を提供するとともに、委員会情報システムを委員会単位のグループアクセス方式から委員個人単位での単独アクセス方式としてセキュリティ及び利便性の向上を図った。
 その後、2020年度にはコロナ禍でニーズの高まった研修会・講演会等のオンライン受講に対応し、2022年度にはInternet Explorer 11のサポート終了を受けてEdgeに対応するためのシステム改修を行い、2024年度には委員会情報システムをクラウドサービスとの直接契約に変更して費用削減と容量アップ等の改善を図った。
 第4期システムの契約期間が2023年3月末に満了したことを受けて、日薬連WEB管理センター運営会議において検討し、2023年度、2024年度、2025年度にそれぞれ1年間の契約延長を行った。
 2024年度に各団体を対象にPRAISE-NETへの改善要望を調査したところ、テキスト生成AIを活用したPRAISE-Mail(新着情報)のジャンル分けや要約の付与などを望む意見があり、新WEB検討会における検討を経て、2025年度にはテキスト生成AIの活用を含むシステム刷新の提案を2グループの開発会社から受けた。2026年度は、第5期PRAISE-NETの導入に向けて新WEB検討会でこれらの提案の検討を行い、引き続き安定的な稼働と利活用しやすいシステムの構築に努める。また、PRAISE-NETのセキュリティ対策として、サービスのクラウド化を進めていく。 

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